「私のこと知ってる??」






ニコッと笑った綾瀬は、そう俺に問いかけてきた。



が、残念ながら俺は本当に興味が無いからクラスが同じになった女子しかわからないので隣のクラスならわからない。




これも嘘ついたところで意味が無いし、と
首を横に振ると少し悲しそうな笑顔に変わった綾瀬。






「じゃあこれから沢山知って??
私も紫苑くんのこともっと沢山知りたいから」



「わかった
俺は自分の話をするのが苦手だから聞いてくれたり、話してくれたらなんでも答えるし覚える!」



「うん!いっぱい話すね♪」






綾瀬はそう言って謎に手を差し出してきた。


その手はなんだろう、握手かな
なんて思いつつ、綾瀬を見つめ返すと、綾瀬はきょとんとした顔で見つめ返してくる。






「手、繋ごう??」



「え?」



「お互い知るなら触れ合うのが1番でしょ?」






そうか??

なんて返す前に、俺の手を取って指を絡める綾瀬。




なんか結構大胆だな…。困ったなぁ。




俺は人前で手を繋いだりするのも苦手なんだけど…さっきお互い知ろうって言った手前断わりづらい。





どうしたものか…。







「さっ!デートしよ♪」






俺が困っているのに気づいてるのか、気づいてないのか

綾瀬は気にした様子もなく、俺と手を繋いだままスタスタと歩き始めてしまったのだった。