柚子葉が生まれてから約2ヶ月経った3月。



今日は卒業式だ。






「紫苑と光司と学校離れるとか考えられない!!無理だー!」



「お前ならすぐ友達できるから大丈夫だろ」






式が終わって、外で各々写真などを撮っている間、太一が半泣きで俺と光司に抱きついてくるが


光司は相変わらず塩対応。



2人には、柚子の妊娠が計画的モノだったことは言えていない。






「今日は柚子と璃苑が柚子葉連れてくるって言ってたから会えるぞ」






半泣きの太一にそう言うと、太一はケロッとキラキラの笑顔に変わる。



璃苑は私立だったから既に卒業式は終わってるからな。



俺らも全員第1志望の大学に受かって一安心。




産後何かと、俺の受験とかも重なって忙しくて柚子葉に会いに来れてなかったから、光司も"楽しみ"となんだかんだ楽しみにしている。




ちなみに会った時の楽しみとか言って、写真も見てないのだ。




そんなこんな、3人でワイワイやっていると
突然恋雪から肩を叩かれた。






「紫苑くん、ちょっと…いいかな」



「ん?」






緊張した面持ちの恋雪をみて、この場で話すことではないのだろうと察した。






「場所、変える?」



「う、うん」






太一と光司に、何やらニヤニヤされながら
恋雪を連れてあまり人のこない多目的室へと入っていった。