勉強組で解散したあと
光司と太一と並んで帰る。



丁度、学校を出たくらいで、光司がゆっくりと口を開いた。






「実際お前どうなの?」






突然光司に話を振られた俺は、首を傾げるしかできず、戸惑っていると

光司は言葉を続ける。






「だってメンヘラ女とヤッた時も避妊してたのにおかしいだろ。
あいつのせいでお前の人生狂ってるんだぞ」






そう、光司は怒りを隠せないといった声音で言ってきた。



光司と太一にだけ、いつかは農家を継ぐというのも話しているからその事も引っかかってるんだろう。



でも、やっぱり自分の大切な人を悪く言われるのは悲しい。






「柚子のせいじゃないさ
妊娠したことで人生変わったのは柚子も一緒だし、俺は気にしてないよ
しっかり前だけ見ないと」






幸いにも、双子の妹である璃苑も医者になると言ってるわけだし。


医者の件は頼める相手がいてよかったと思う。




そんな俺の言葉を聞いても、光司は怒りが収まらない様子。






「最初から嫌いだったんだよあの女。
真優の友達だからって目つぶってたけど、俺の大事な友達の未来潰して、わがままし放題じゃねぇか」



「そんなことない」



「あるだろ。
今だってお前に家事全部任せて、自分はぬくぬく文句言ってるだけじゃん」



「仕方ないよ、不安定なんだから」



「お前は優しすぎるんだよ!!」






今更光司に柚子を好きになれだなんて言えない。


だけど、嫌っては欲しくなくて
それにそんなこと言って欲しくなくて


でも光司には伝わらず、怒鳴られてしまった。





そんな俺と光司の会話を聞いていた太一は、困ったように眉を寄せて間に入ってきた。






「光司、気持ちはわかるけど紫苑のことも考えてやろうな??
紫苑も、沢山我慢してるんだから俺達が支えようよ」






そんな、太一の言葉も虚しく"感情的になりそう"と光司は言って、1人でスタスタと帰ってしまった。