「明日から冬休みか〜!
終わったらすぐ受験だよ!」






太一は勉強道具片手に、半泣きでそう大声をあげる。


太一は勉強はいまいち得意じゃないみたいだが、やりたいことも無いから大学に進むらしいが、勉強で苦戦しているようだ。




ちなみに光司と真優ちゃんは同じ美大に進学すべく切磋琢磨しているらしい。




恋雪は、図書館秘書になりたいと前から言っていたので大学進学。





ここにいるみんなは進学組だからこそ、時々こうやって勉強しつつ、お話しつつ放課後少し残ってた。




このことは、柚子には内緒だけど。




メンバーに恋雪がいることを知られたら狂いかねないからな。






「受験合格して、無事卒業したらみんなで卒業旅行行きたいな!!」






突然そう提案するの楽しいこと大好きな太一。






「行きたいけど、俺は行けないかな
その頃には生まれてるし」






本当は行きたい気持ちはあるがそこで行くのは父親になる身として自覚がなさそうに感じるし。



なによりこれからは自分のしたいこととかも全部我慢しつつ生きていく決意をしたんだから、行けない。




俺の言葉に、みんなも"そうだなー"なんて言って理解を示してくれた。






「そろそろ帰るか」






提案者の太一が少し悲しむ中、光司がそう、声を上げた。


時計を見るともう18時半。






「紫苑、今日は俺と帰るぞ」



「光司と?」



「おう、太一もな」






なにか話があるのだろうか?


光司の言葉に俺と太一はこくんと頷いた。



真優ちゃんは恋雪と帰るみたいだ。