翌朝



俺が目を覚ますと、柚子はまだ隣ですやすやと眠っていた。


その寝顔を見ながら、幸せを感じる。






「柚子」






起こさないように小さな声で名前を呟いて、寝顔に口付けると

ゆっくりと柚子の瞼が開いてしまった。



起こしちゃったか。






「ん〜…おはよう紫苑くん」



「おはよう
ごめんな、起こした?」



「うーん…」






まだ寝ぼけているのか、曖昧な返事をした柚子は俺へと擦り寄ってきた。






「紫苑くん…」






地肌が触れ合って温もりを感じていると、柚子は俺の首元や鎖骨、胸元に腕やお腹に吸い付いてきた。



その吸い付いた場所はチクッとした小さな痛みが走る。






「へへ、私のもの」






柚子の付けたキスマークを見ながら、満足気に笑いつつも、キスマークをするのをやめない。




背中や太ももにもつけられてしまった。




全身くまなく何ヶ所も付ける柚子が必死でなんだか可愛らしい。






「冬服だからいいけど、夏だったら見えるぞこれ」



「いいじゃん、私ものなんだもん
誰に見られても言われても構わないよ」






なんて言ってクツクツ笑う柚子。


柚子は俺があればなんでもいい、どうでもいいみたいな所があるのが少し心配だ。


もっと他のことも気にかけた方がいい気はするけどなぁ。



なんて、心配をよそに、柚子は今度は俺の唇に自らの唇を重ねる。






「積極的だなぁ」



「じゃないと紫苑くんしてくれないもん」






朝からするなんて不健全だ。なんて思いながらも柚子の期待に沿うようにまた柚子の唇を奪っていく。






「幸せ」






柚子が幸せを感じてくれているならいいか。


俺に出来ることは、期待に応えることや
柚子を守ってあげることしかないのだから。





そんな、少し過激な朝を初めて過ごしたのだった。