そんな俺たちの姿をいつから見ていたのか、柚子葉がにやにやした顔で見てきた。






「パパとママがイチャイチャしてるー!
平和だねぇ幸せだねぇ♪」



「しあわせ!しあわせ!」






柚子葉に続いて珠々葉までもそんなことを言って笑うのにつられて俺たちも笑う。





幸せ、楽しい嬉しい、辛い悲しい、ムカつく。



それら全部の感情を柚子葉も珠々葉も俺と恋雪には前面に出して話してくれるように育っているから



こうして柚子葉や珠々葉の言葉で幸せなどの単語が聞けると嬉しいものだ。






「さ、パパとママのデートは置いておいてお姉ちゃんとゾウさん見に行こう!」



「うん!スズはユズちゃんとデートー!」






俺と恋雪に手を振りながら珠々葉と手を繋いで歩いていく柚子葉にやっぱりお姉ちゃんになったなぁと感動する。



未だに甘えん坊ではあるけど
前とは違って気が利くし、わがままも程々だし。




こうして成長を見守ると
あの時18歳で未熟だったけど親になってよかったと本当に思う。






「紫苑くん、いつもお仕事お疲れ様。」






2人を見て癒されていると恋雪はそれにそう言って笑いかけてきた。






「子育てしながら医者になるって夢叶えて
色々あってトラウマもあっただろうに私と結婚してくれて
仕事大変で寝たいはずなのに、自分の時間より私たち家族との時間を大切にしてくれて
私はそんな素敵な旦那さんがいて、本当に幸せなんだよ?」



「あはは、全部当たり前のことだよ」



「ううん、私だったらきっとできない…。
当たり前だって笑って言える紫苑くんが大好き。これからもよろしくね」






なんて、優しい言葉をかけて微笑んでくれる恋雪になんだか感動してしまう。