「幸せだね」






ふふっと笑った恋雪はさりげなく空いている俺の手を取って包み込むように繋ぐ。



幸せ。




そう言ってくれる恋雪に俺は毎度安心して
これからもそう言って貰えるように頑張ろうと思えるんだ。






「なんか子供ってあっという間に大きくなっちゃうね」



「だなぁ…。柚子葉とかこの前までオムツしてたのにな」



「あはは、溺愛してたもんね紫苑くん」



「今は愛おしい子が2人に増えたからなぁ」






なんて、話してクスクス笑い合う。



恋雪とは本当に思い描いていたように、穏やかな時間で過ごしていて、俺も本当に幸せだと感じる。




そんなことを思いながら、恋雪の大きく膨れたお腹を見て「違うか」なんて口にすると恋雪も頷いた。






「4人、になるね」



「幸せすぎるな」






俺の言葉に頷いて、恋雪は優しい顔で自分のお腹をさする。




そう、今恋雪は双子を妊娠中でもう少しで生まれる。




子供は元からお互いに嫌いじゃないことから、出来れば沢山作りたいねと話していたから幸せすぎることだ。







「でも心配だなぁ〜、私ももちろん4人とも大事だけど、紫苑くんも大好きだからね。
紫苑くんの愛が私に向けられなくなるかもしれないって」






恋雪はそんなことをいたずらっぽい顔で言って笑ったのが可愛らしい。




でもそんな心配は必要ないだろう。






「大丈夫、恋雪への愛情と子供への愛情は別物だからな」






なんて、俺は口に出したが恥ずかしいセリフに照れてしまいそうになるのを恋雪の頭を撫でて隠す。