柚子と和解してから時は過ぎ。


約1年が経ち、11月。


俺も研修医2年目になり生活にもなれて
柚子の子供も1歳になった。



柚子葉も2年生で毎日楽しく学校に行ってよくお友達を家に連れてくるんだと恋雪が話していた。






「紫苑くん今日夜勤でしょ?
私の買い物なんかに付き合ってて大丈夫?」






平日の昼間。
今日は夜勤だった俺がなんだか眠れず恋雪の買い物に付き合っているとそう、何度も心配そうに恋雪は聞いてきた。






「大丈夫、あんまり寝なくても俺平気だし
今日眠くなくて」



「本当に?ずっと大変そうだから心配だよ」






恋雪は眉を八の字に曲げて俺の手を握る。



実際、家に2日帰れなかったり
定時で上がれず長引いたりなんてのはよくあるし、きつくはある。




でもそれも俺が医者になりたいと思ったからだし、なによりやっぱり仕事をしているのも楽しめてるから乗り越えられる。




それに今日は仕事に行く前に大事なことがあるしな。






「恋雪は大丈夫か?
柚子葉の面倒見てもらって本当ごめんな」






きっと柚子葉にも恋雪にも寂しい思いさせてるだろう。



それくらい俺は家になかなかいることは無いのが本当に2人には申し訳ない。






「恋雪、ある程度買い物終えたら昼ごはん行こうぜ。
俺行きたいところあるんだ」



「え?うん!大丈夫だよ
紫苑くんと2人でお昼なんて幸せだなぁ」






なんてねっなんて笑う恋雪は可愛くて仕方ない。


俺はこれからも恋雪のこんな笑顔を見守って支えたいな。なんて思った。