「正直、どうしてやることも出来ないけど、なんで親とも疎遠になってんの」






俺も進まないながらも、軽いご飯を口に運んでまた問うと、柚子は苦笑いをうかべる。






「子供を2人目産んで施設に預けたのがバレて、しかも離婚したのもバレたの。
そんなふしだらな女はいらないってそれから疎遠」






そりゃ、柚子が悪いわな。






「おまけにちゃんと働いてないからって家まで契約切って、私をホームレスにしやがった」






そう言うと柚子はムカついてきたのか、顔がムスッとむすくれはじめた。



でも、正直両親の言いたいことは分かる。

もし自分が親で子供がそんなことになってたら怒るだろうし。






「んで頼れるのが紫苑くんしかいかいなくてね。
お願い、助けて?」






柚子は手を合わせて、お願いのポーズをとるけどどうしろと言うんだ。






「先に言っておくけど、俺はもう恋雪と柚子葉と3人で暮らしてるし、結婚もしようと思ってるから柚子とよりを戻す事は出来ない」






今の幸せを崩すつもりは無い俺はそう告げると、意外とあっさりこくんと頷く柚子。



だが、すぐに口を開いた。






「別に付き合うとかなくていいよ。
ただお金とお家くれたらいいの」



「は?」



「だって元を正せば紫苑くんが悪いし。
慰謝料的な感じでさ」






そんなことを平然と言って笑う柚子に寒気が走る。


もう俺が悪いとか悪くないとかどうでもいいけど。



慰謝料ってなんだ。慰謝料って。