ボロボロの状態の柚子を無下にすることも良心が傷んでできず。



とりあえず仕事が終わるまで、お風呂など着いているホテルにいてもらうことにした。






「お疲れ、紫苑くん」






仕事を終え、ホテルに迎えに行くと柚子はとりあえず髪も汚れもキレイさっぱりになって待っていた。






「とりあえず、なんでこんな状況なのか聞こうかな」






小綺麗になった柚子を車に乗せ、ファミレスに連れてきて俺がそう聞くと柚子は俯く。






「12月に会った時に何泊分かホテル代くれたでしょ?普通のホテルにしてはかなりの量だったからとりあえずネカフェに泊まってたの」



「うん」



「それからネカフェでもお金の底が尽きそうになったからクラブとかに行って出会った男の家に上がり込んでた」






なるほど。

柚子らしいといえばらしいが、あまりいいものでは無いよな。






「それでもお金が無いから過去の男のところに紫苑くんの時みたいにお金もらって、やり過ごしてた」






すごい暮らししてるな。
なんて思ったけどまた続きがあるようだ。






「そんな生活2ヶ月半くらいしてた時、妊娠したかもしれないってなって。
でも、誰の子供かわからなくて、妊娠したかもって当時転がり込んでた男に言ったら出ていけって言われて」



「うん」



「それで行くあてなく1週間くらい彷徨ってたら紫苑くんを見かけて頼りました」






そう言って俺の目をじっとみてきた柚子。



いやいや、頼られちゃったよ。
てか、妊娠しすぎじゃね柚子。


ちゃんと避妊しろよ…。




なんて柚子の奇行に返す言葉もなく固まっていると、頼んでいたご飯をパクパクと食べる柚子。





やっぱり柚子の神経は図太い。