「ご、ごめんなさい…」






恋雪は心底申し訳なさそうに謝るが、そんなのは耳に入らないくらいもやもやした。


そもそも彼女じゃないし、怒る権利もないし謝られることもないのに。


でもモヤモヤが止まらない。



キスマークとかそうそう付けられないし。
俺はしたことないし。


てか、相手はほぼ潤くんで確定だろ。



なんだそれ。
じゃあなんで俺のところに今来てるんだよ。




そんなことを考えて止まらないモヤモヤを必死に抑える。







「良かったじゃん、付き合ったの?」






そしてようやく絞り出したのはそんな嘘っぱちの言葉。


そんな言葉に恋雪は首を横に振って、今にも泣き出しそうに震える声をあげた。






「ち、違うの…。あれから潤くんとお酒飲んで酔っちゃって…。
気づいたらその…。」



「気づいたらヤッてたと?」



「う、うん…。」






なんだそれ。

恋雪はずっと俺の事好きでいてくれんじゃないのかよ。


恋雪はそんな尻軽じゃないんじゃないのかよ。



そんな思いが湧き上がってくるが、俺に言う資格はない。






「いいんじゃね?
恋雪のこと好きって言ってたし、幸せになれると思う」






これは少し本音だ。


潤くんは凄く恋雪を大事に思ってた。
だからきっと幸せにはなれる。



俺の気持ちはみなければ。