【紫苑side】
夏祭りの件から時は過ぎ、3月。
今日は大学組の卒業式だった。
ということで、いつものメンバーで卒業パーティーを開いている。
「やっと勉強から開放されるぜ〜」
「でも今から社会人だからね…嫌だわ」
「俺は社会人楽しみだなー!」
「私も夢の図書館司書になれるから楽しみだな」
光司と真優ちゃんは社会人になりたくないみたいだが、太一と恋雪は楽しみらしい。
4人らしい答えに俺が笑うと
光司がニヤリと笑ってきた。
「お前はまだあと2年あるもんなー?
あと2年がきついだろ?」
「まぁ、5年は実習だな〜
6年は最初実習であとは試験勉強な感じ?
でも普通にバイトもするし頑張れば遊べるよ」
「お前の多忙さには頭が上がらねーわ」
「そんなことないさ、誰でも出来るって」
子供の面倒も見れない時は見てくれる人がいるし、バイトも遊びも楽しい。
実習も勉強も頑張れば何とかなるし。
むしろ俺的には忙しい方が好きだからいい具合だけど。
なんて光司と笑いながらふと、恋雪を見ると恋雪の腕がコップに当たりそうなのが目に入った。
「恋雪、ジュース零すぞ」
「えっ?」
全く気づいていないだろう恋雪のそばにあるコップに手を伸ばして退かすと、眉を八の字に曲げる恋雪。
「ありがとう!」
「気づいてなかっただろ?」
「全く!」
「はは、柚子葉みたいだな、気をつけろ〜」
ドジっ子恋雪の頭を撫でると、何故か真優ちゃんと目が合ってしまった。