8月。



今日は夏祭りがあるということで、柚子葉は行きたい行きたいと騒いでいた。






「ゆずはいきたい!!ぱぱいこう!!」



「パパも行きたいところなんだけどな…」






8月、夏休みといえど段々と5年に近づくにつれて忙しくなってきた俺は課題に追われていたのだ。


今日出された明日の補習までに終わらせなくては行けない課題が山のようにある。






「ごめん、今日パパ行けない」



「やだー!!!いくのー!!!」






折角の夏祭り、去年は一緒に行ったし行きたいのだが…。



俺が柚子葉を取るか、課題を取るか迷っていると双子の妹の璃苑がひょっこり顔を出してきた。






「私が一緒に行こうか??私もりんご飴食べたいし」



「璃苑、いいのか?」



「うん、いいよ〜」






璃苑はそう言うと、柚子葉の頭をポンポンと撫でる。






「柚子葉ちゃん、今日はお姉ちゃんと行こうか!パパ忙しいんだって」



「えー…ぱぱいかないの?」



「ごめんな?璃苑と今日は楽しんでおいで?」



「わかった!おねえちゃんいこうー!」






柚子葉と切り替えよ早さに救われながら、俺が笑うと璃苑がそっと耳打ちしてきた。






「こんなときくらい恋雪ちゃん、誘いなよ?
ある程度勉強終わったら2人で会いな!」






なんで?

と、問う前に璃苑はじゃあねー!と元気よく柚子葉と手を繋いで出ていってしまった。




2人の出ていった部屋で、俺は再びの勉強に意識を全集中させただった。