柚子の事件から代わり映えのない日々が続き、約半年。

5月の初め。
ゴールデンウィークだ。



俺は無事、医大生4年になることもできて
柚子葉も3歳になった。

4年の前半は割とゆとりがあるから、今日は柚子葉と恋雪と3人で水族館に来た。




本当は2人で行くはずだったのだが、柚子葉がママも一緒がいいと聞かなかったから3人だ。





もうすっかり恋雪のことをママと思い込んでいる様子が困ったものなんだけどなぁ。






「パパ!ママ!みてー!おおきいねー!」



「だなー!柚子葉なんてぱくって食べられるぞ〜?」



「ちがうよ!ゆずはがたべるんだよー!」






柚子葉はサメを見てヨダレを垂らさん勢いで見つめている。


確かに柚子葉はよく食べる。俺に似て。
ご飯も足りないという程だし、運動もかなりする。


活発で明るい女の子だ。







「柚子葉ちゃんお腹すいたの?」



「すいた!でもまだイルカさんもみるの!」



「イルカさんのショーはまだ時間あるな」



「それまでパパとママとおさかなさんみる!」






柚子葉はそう言って俺と恋雪の手を取って間に入る。


満足そうな柚子葉を見ると、俺も連れてきてよかったなぁと嬉しくなった。






「紫苑くん柚子葉ちゃん溺愛でしょ?」



「ん、まぁそりゃなー?
可愛いだろ?柚子葉」



「かわいいでしょ!ゆずは!」



「あはは!かわいいよ柚子葉ちゃん」






最近は俺の真似をするのにハマっているのか、よく真似をする。


そこもまた可愛い。


もう何もしても可愛い。