翌朝、朝帰りなんて父親としてどうなのかと思いつつ帰宅すると


父さんと柚子葉と恋雪が居た。



璃苑と母さんは買い物に行っているようだ。






「恋雪?帰らなかったのか」



「うん、柚子葉ちゃんが帰らないでって泣くから泊まったの」



「そっか…ごめんな」



「パパー!きのうはねママとおねんねしたの!!」






恋雪への申し訳なさと、気分の重い状態で疲労が溜まっていると


柚子葉の無邪気な声に救われた。



どれだけ辛くとも苦しくとも、柚子葉の笑顔のためだと思えばなんでも頑張れる。




柚子葉の頭を撫でて、柚子葉の話に耳を傾けていると、父さんからの視線を感じた。




恐らく、これは、この視線は、怒っている。




恐る恐る父さんを見ると、ニコッと微笑まれて余計に怖い。






「柚子葉、ちょっとだけお部屋でお絵描きしててくれるか?」



「パパは?」



「じいじとお話したら一緒に遊ぼうな」



「わかった!まってるね!」







柚子葉はニコニコと部屋へとお絵描き道具を持って行ってくれた。




リビングに、3人になった空間に漂う異様な空気。




それを1番に破ったのは父さんだった。






「で、柚子ちゃんと、どうなったの?
朝帰りってことは何となく予想つくけど」






恋雪から柚子のところに行っていると聞いたのか、父さんの言葉に誤魔化しきれないと悟る。



恋雪も心配そうに俺と父さんの会話を見守っている。






「うん、実は」






一応全部話した。

柚子は嫌がるかもしれないが、強姦されたこと。


それから自殺しそうだったこと。



そして、柚子と再度結婚することになったこと。





俺の話を聞いた恋雪は、涙を流した。



父さんは、無表情のままだから分からないがおそらく怒っている。