食事を終えて レストランを出る私達は 確実に 入って来た時と 違う。 俊樹に 手を握られて。 あの夏と同じように。 ホテルを出ると 俊樹は 駅と逆の方向へ 歩きだす。 「どこに行くの?」 不安に思って 私が聞くと 「まだ 帰したくない。」 と俊樹は答えた。 私だって 同じ。 このまま 別れるなんて イヤだ。 そっと 俊樹にもたれる。