「一度、ゆっくり話して。ちゃんと説明しないと。それでも 突き放されたら 諦めればいいじゃない。」 礼奈の言うことは わかるけれど。 「それができれば こんなに悩まないっていうの。」 だいたい、話すきっかけもないから。 「だからって じっと待っているの? そのうち誰かに 取られちゃうから。」 礼奈に 脅かされて。 「礼奈、働いたら 意地悪になった。」 と私は 頬を膨らませた。 「まあね。販売員やっていると 気が強くなっちゃうのよ。」 と礼奈は 明るく笑った。