エヴァとシリウスは街を歩いていた。美男美女が歩いているため、人の羨望の眼差しが二人に注がれる。

「……ッ」

人々の視線に少し怯えた様子のエヴァを見て、シリウスはそっとエヴァの手を握った。

「やっぱり怖い?」

エヴァが怖がったり嫌がることはしたくない。シリウスは心配になり、訊ねる。エヴァの顔は強張ってしまっていた。

記憶を取り戻したエヴァは、「離れてしまったカレンに会いたい」と言い、シリウスたちはカレンをエヴァと共に探すことにした。

「エヴァの髪の色はとても目立つから、ウィッグをつけずに街を少し歩いてみるのはどう?」

エヴァは普段外に出る時には、ウィッグをつけることが多い。アイヴィーの提案で外して街を歩いているのだが、エヴァはエデンに怯えているようだった。

「大丈夫です……。これも、カレンを見つけるためですから」

エヴァはシリウスを見上げ、ニコリと微笑む。シリウスは「無理はしないでね」と言ってまた前を向いた。