1925年、シムナは二十歳となり、少年から青年となった。


青年は15ヶ月の兵役義務によりフィンランド国防陸軍入隊。

新兵訓練期間を第1自転車大隊で、下士官学校を経て兵長となり、残りの任期を第2自転車大隊で過ごした。


兵役期間後は予備役となり、民間防衛隊に入隊した。


その間、その後もあの死神はついてきた。


家から離れれば来ないという淡い期待を持っていたシムナにはうんざりだった。


最近はシムナの射撃に口出ししなくなった死神。


しかし、相も変わらず死神が口を出したときには必ずシムナは的の真ん中をはずしてしまうのだった。


シムナは死神が口を出さないときは確実に命中すること気付き、死神から離れることをあきらめ、利用することとした。


そう心に決めたはいいものの、気がかりになることが一つがあるのだ。


誰かにこの死神が見えるのではないかという点だ。


死神は「お前さん以外見えてねーよ」というのだが、死神が言うことだ。

信用しろと言うほうが無理がある。




そのため写真では立ち位置を指定された場合を除き常に後列か他人の影に隠れて写ろうとし、自分をを含め3人で写っている一枚の写真には『自分の姿は切ってしまっても構わない』と直筆の手紙をつけた。後々その行動が彼の性格は慎ましいといわれる原因となったのだが。