優しい温もり【完結】

「ところで、どっか行ってたの?」
さっきの言葉が気になって聞いてみた。

「1回帰ってきた。仕事」
よく見るとスーツを着てビシッと髪をセットした夜モードの頼くんがいた。
またその姿にドキっと胸が高鳴る。

「ねぇ・・・この車・・・頼くんの?いつもと違うよね」
いつもは黒のワゴンRのはず・・・。
この車は大ちゃんが乗ってるようなスポーツカーだし。

「お前、俺の車知ってるの?」
少し驚いた声が返ってきた。
驚かなくっても・・・同じ校舎にいるんだし・・・。

「いつもは、黒のワゴンRでしょ?違った?」
いつも遠めで見てるから、間違ってるかもしれない。間近で見たことないし。

「おっおう。学校にはな。
今日は仕事モードだからこっち。」
そうなんだ。橘先生には軽自動車が似合ってるけど、頼くんにはこっちのスポーツカーの方が似合ってるもんね。