泡沫の記憶


ふたりでベンチに座った



改めて咲田の浴衣姿を見た



「咲田の浴衣姿、オレだけが見れて
なんか、幸せ…」



あ、さっきチビと叔母さんも見たか…



「嬉しいけど、恥ずかしい
来年は、もっと似合うようになってるね」



「うん、来年も一緒に花火行こう」



「うん」



瀬倉…



「咲田、ホントにオレでよかった?」



「うん
なんで?」



「瀬倉は?」



「え…瀬倉から聞いたの?」



「違う
瀬倉はオレたちのこと応援してくれた

ホントは言いたくないけど…
瀬倉もホントは咲田のこと、好きだったんだ
両思い、だったんだ…
咲田と瀬倉

…聞いたら、気持ち、揺らいだ?」



「揺らがないよ
今は、小栗のこと好き…」



瀬倉の気持ち知っても
好き…って
言ってくれる咲田が愛おしかった



「部活で小栗といるうちに
小栗のこと好きになってた

いつだろう…気付いたら好きだった
頑張ってる小栗見てたら好きになってた

いつも近くにいてくれて…
支えてくれて…
一緒にいるとドキドキした」



一生懸命話してる咲田を黙って見てた


やっぱりかわいい



「ありがと…なんか、嬉しい
今も、ドキドキしてる?」



「…うん」



ホントにかわいい



「オレも…
オレ、その前から好きだった」



「えー、気付かなかった!」



「じゃあ、咲田もバカだね」



「ひどーい!」



「引退試合の日
帰りに澤田先輩にバカって言われた
咲田の気持ちに気付いてないから」



「先輩、そんなこと言ったんだ

いつから?いつから好きだった?
私のこと…」



「たぶん中学の時から

咲田いつも笑ってて
かわいいな…って思ってた

受験も頑張って一緒の高校合格できた
咲田も瀬倉のことも好きだったから

保育園からずっと一緒だった
なんでもできるアイツをいつも追いかけてた

咲田が告白するのたまたま聞いて
ショックだったし
オレ、咲田のこと好きなんだな…って
その時、気付いた」



「あのね
この前、瀬倉からLINEがきたの」



そう言って咲田はオレにLINEを見せた