泡沫の記憶


「ごめん、うるさくて…
相手してくれて、ありがとう」



「小栗に似てて、かわいかった」



「え、似てるかな?
オレ、あんな?」



「あんな!」



咲田が笑った


オレも笑った




静かになった公園


虫の声がした



「あ、線香花火残ってる!」



咲田が片付けながら言った



「もったいないから、やろうか…
咲田、どっちがいい?」



「じゃあ、こっち」



オレはもう一度ローソクに火をつけた



「じゃあ、競争ね!
長く残ったほうが願いごとが叶うんだよ」



しゃがんだ咲田が小さくてかわいかった



ふたりで花火に火をつけた



パチパチパチ…



火薬の匂いがした



咲田の匂いがした

甘くて…女の子の匂い



パチパチパチ…



「あー…」



火の玉が落ちて煙が上がった



「同時だったね!
じゃあ、一緒に願いごと…」



そう言って咲田は目をとじた



咲田、好き…

ずっと一緒にいたい



「叶うといいな…」



咲田が目を開けた



目が合った



ドキッとした