先輩とファーストフード店に寄った
おごってくれた
なに言われるんだろ…
ビクビクした
「今日、悔しかった」
先輩がハンバーガーを食べながら言った
「え?…今日?ですか?」
「1対1になった時、負けた…」
「あー、スミマセン…」
「謝らなくてもいいけど…
勝負だから」
「ハイ…スミマ…」
オレはまた謝ろうとした
「でも、もっと悔しかったことがある」
「…オレ、他にもなんかしました?」
「心当たりない?」
「…ハイ…」
なに?…こわい
「オレ、咲田にフラれた
聞いた?」
「…いや…あ、ハイ…」
やっぱ、それ…
「オマエ、咲田のこと好きじゃないの?」
え、好き…
だけど、言えない
オレは言葉に詰まった
「咲田、オマエに
オレと付き合えばって推されたって言ってた」
確かに…言ったけど
最終的に止めた
「咲田、オマエのこと好きだよ」
オレは口に含んだコーラを吹き出しそうになった
「ゲホ…
…
いや、それはないです」
「小栗のこと好きだから
先輩と付き合えないですって
言われたもん」
「いや、咲田、
中学の時から好きなヤツがいるんです」
なんでオレ、必死に言ってんだろ?
「あー、バスケ部の?
それも言ってた
自分の片思いだったって」
…片思い
じゃないかもしれないのに
「マネージャーやってから
小栗のこと好きになったけど
3人の友情が壊れると悪いから
小栗に自分の気持ち言えないって…
…
だから
ずっと片思いでもいんですって」
え…
オレは先輩の言葉が信じられなかった
「好きじゃないの?咲田のこと」
再度、先輩に確認された
「いや…あの…」
「健気だね、咲田
…
あんないい子いないよ」
「はい…知ってます」
「オレに遠慮しなくていいよ
男なら告えよ!
咲田、オマエに好きになってもらえるように
頑張ってるんですって言ってたよ
…
オイ!小栗聞いてる?」
「いや、ホントに、信じられないです」
一瞬、飛んでた
「オレ、フラれたけど、好きになってよかった」
澤田先輩が言った
咲田の笑顔が浮かんだ
「…羨ましすぎる、小栗
なんで、オマエ気付かないの?
…バカ?」
先輩はオレの髪をクシャクシャにした
オレは動悸がした
オレ、大丈夫?



