泡沫の記憶


ドーンドーンドーン…



花火と一緒に鼓動が速くなった



唇と唇は重ならずに

すれ違った



咲田は
オレの胸に顔を当てた



オレはゆっくり
咲田の背中に手を添えた



え、コレ、抱き合ってる?



ふたりの状況が理解できなかった



咲田、薄着だし…



「え、あの…
オレ、すげードキドキしてる」



「うん、聞こえる…
私も、ドキドキしてる…」



添えた手から咲田の鼓動が伝わってきた



「…小栗の匂いがする…」



「ごめん、オレ、汗かいてる」



オレは慌てて咲田の背中から手を離した



咲田の顔はオレの胸から離れなかった



「もう少し、このままがいい…
今、顔見れない…
見られたくない…」



オレはずっとドキドキしてた