泡沫の記憶


ドーン…ドーン…



「あのね、浴衣、着てみたけど
似合わなかった」



急に咲田が言った


残念そうだった



「着てみたの?」



「うん…
でも似合わなすぎて、着てこなかった」



「そんなこと…
そんなこと、ないだろ
オレ、少し楽しみにしてたのに…」



ホントはすごく楽しみにしてた



「日焼けしてて…
メイクしても変だったし…

だから、さっきバスケ部マネが
浴衣着てるの見て、いいな…って

すごく、かわいかったから羨ましかった」



いいな…って


瀬倉じゃなくて、そっちか!



「オレ、見たかったな…
咲田の浴衣姿」



「ウソ!」



「オレ、ウソなんかつかない」



ウソはつかないけど
咲田が好きだっていう気持ちは言えなかった



「じゃあ、信じるね」



「うん、今度見せて」



「今度って?いつ?」



「んー、来年?」



「じゃあ、来年までに浴衣が似合うよーに
かわいくなる!」



そう言った咲田は充分かわいかった



来年か…

来年なにしてるんだろ?

まだ3人でいれるかな?



オレ達