体育祭
借り人競争で
オレが引いた紙は『担任の先生』だった
ゴールして席に戻る時
オレの横を瀬倉が通過した
え?咲田と?
オレは2度見した
瀬倉は咲田の手を引いて走ってた
一瞬時が止まった
ゴールしたふたりが
息を切らせて笑ってるのが見えた
ふたりでこっちに歩いてきた
「おつかれ〜」
瀬倉がオレに気付いて声をかけてきた
「おつかれ」
瀬倉の少し後ろに咲田がいた
「瀬倉、引いた紙、何だったの?」
「え、あ、オレ?
サッカー部のマネージャー」
「へー
そーなんだ…」
「あぁ、よかった
咲田がたまたま近くにいて」
「瀬倉〜」
クラスの人が瀬倉を呼びに来た
「あ、じゃあ、またな」
そう言って去った瀬倉の
ポケットから何か落ちた
『好きな人』
そう書いてあった…
「小栗、何だったの?」
後ろから咲田に声をかけられてビクッとした
咲田はオレの持ってる紙をのぞき込んだ
「え、小栗、田中先生と走ってたよね?
『好きな人』…って」
「え、いや、好きだし!田中のこと!」
オレは焦った
咲田が笑った
「ウケる!小栗
好きかもしれないけど
こーゆーのって
好きな女の子の手引っ張って走るんだよ
待ってた子いたかもよ!
小栗のこと」
「うん、あー、そぉかな…」
オレは胸が痛かった
好きな人
好きな女の子
「それって恋愛感情で?」
咲田に聞いてしまった
「え、うん、恋愛感情…なんじゃない?
でも、まぁ自由か!
小栗の選択も間違ってないね」
そう言って咲田は
オレに手を振って席に戻った
瀬倉…
好きなの?
咲田のこと
どんな意味で?
恋愛感情?
友達として?
サッカー部のマネージャー
なんでオレにウソつくんだよ
待ってた子…
咲田は、オレのこと…
待ってるわけないよな
なんかオレは
モヤモヤしたまま応援席に戻った



