泡沫の記憶


洗濯物をたたんでたら

後ろから抱きしめられた



「もぉ…柊翔、邪魔しないでよ
もぉ少しで終わるから待ってて」



「朱夏の背中が抱きしめて!って
言ってたから…」



私、今そんなこと思ってたんだ


ベッドでは抱きしめてくれないのにね



「朱夏、2個ピアス買ったけど
最近ずっとこっち着けてるね
もぉ1個の方、なくした?」



私を抱きしめながら柊翔が言った



「んーん…
どっちも気に入って買ってもらったけど
こっちの方が着けやすいし
こっちの方が好きかな…
もうひとつの方も今度着けるね」



「オレもこっちの方が朱夏に似合ってると思う

2個あっても
使っていくうちにわかるよね
どっちが好きか…

オレもよく色違いで買うけど
片方だけずっと出番なかったりする

こっちのピアスが
朱夏に選ばれたんだね」



そう言って柊翔は私の耳元にキスした



ーーー



私が生涯好きになった人

ふたりいても

ひとりは引き出しの奥にいる



そっと閉まっておこう



柊翔はその存在を許してくれてる

優しい人



私は柊翔を選んだから

いつも隣にいてね