泡沫の記憶


「ありがと」



「なんか、上手くできなかった
ごめん…
でも、頑張ったんだよ!」



「うん、知ってる
クリーム付いてる」



オジサンが私の頬を拭いてくれた



「30年生きてて
誕生日おめでとうって書いてあるケーキ
初めてかも…
ありがと、ホントに嬉しいよ」



大きいローソクを3本立てた



オジサンが嬉しそうだったから

私も嬉しくなった



「食べるのもったいないね」



オジサンいつも優しいな



「あ!」



「なに?」



「プレゼント買うの忘れた!」



「ケーキで充分だけど…」



「ホントに…?」



「うん、ホント、ホント…
ホントにありがとう」



「でも!やっぱり…
今日はもぉ無理だけど…
ちゃんと用意するから待ってて!
私もさっき
誕生日プレゼント買ってもらったし」



「今日用意できるプレゼントあるんじゃん?」



「え?」



「キミのことだから
今日オジサン誕生日だから
してもいいよ…とか言わないの?」



「え…?」



「それは思い付かなかった?」



「え…?」



恥ずかしくなった



「なに今更照れてんの?」



「だって…」



「無駄になるよ…そのデカい胸」



またなんとなく胸を隠した



いざ言われると
ホントに恥ずかしくて



オジサンは私とホントにしたいのかな?



「冗談だよ
ごめん…気にした?
ほんと何もいらないから!

バースデーケーキと
キミの気持ちで充分!

ありがと、朱夏」



朱夏…



また照れる



「呼んで欲しかったかな…って思ったけど
嫌だった?」



「んーん…呼んでほしかった」



「朱夏…」



「ん…」



ーーー



返事をしようとしたらキスされた



ドキン…



「して欲しかったかな…って思ったけど
嫌だった?」



ドキドキ…



「…んーん…
…して欲しかった…」



ドキドキ…



「ごめん…
オレがしたかった…」



ーーー

ーー



またキスしてくれた



「今日、したいな…って思ってたけど…
朱夏は?…したくない?」



ドキン…



今のは冗談じゃなくて、催促?



したくないわけじゃないけど

そんなふうに聞かれたら恥ずかしいよ



「朱夏、かわいい…」



オジサンが笑った



「じゃ、ケーキ食べよ!」



「うん、ローソク火つけるね」



すぐに答えられなかった


オジサンどぉ思ったかな?



「朱夏、歌ってくれんの?
ジングルベルじゃなくて
ハピバスデーだよね?」



結局、子供なんじゃん!て思われたかな?