泡沫の記憶


「ありがとう
大切にするね」



「うん
気に入ったのあってよかったね」



店の外に出たら
指輪がクリスマスぽくディスプレイされてた



結婚式を思い出した


私もいつか…



「指輪がよかった?」



「ん?んーん…ピアス気に入ったよ」



「また、思い出してた?
好きだった人のこと…」



「ん、んーん…」



ブー…ブー…ブー…



「あ、ごめん、ちょっと電話…」



思い出してた



結婚して、幸せかな?



私は今…



「あ、ごめんね…」



「うん、大丈夫だった?
仕事?」



「ん?親…
元気にしてるか…って
正月帰ってくるか…って

あと…
おめでとうって…」



「え…おめでとうって?」



「今日、オレ誕生日なんだ」



「え!なんで教えてくれなかったの?」



「知ったらさ
もし離れても、その日が来ると
毎年思い出しちゃうじゃん

そしたら辛くなるかな…って
教えなかった」



離れたら…って

別れたら?



確かに私の誕生日

叔父から
去年も今年もメッセージがきた

離れても
私の誕生日覚えててくれた



「ごめん、不安になった?

大丈夫だよ
オレは離れないから…」



オジサンがまた手を繋いでくれた



「あ!じゃあプレゼント買わなきゃ!」



「昨日もらったから大丈夫」



「アレは、クリスマスプレゼントだよ
だから…
あ!ケーキも!」



「ケーキも昨日キミが全部食べたしね
残ってないね」



「アレは、クリスマスケーキだよ!
だから…」



「いつもオレの誕生日ってさ
クリスマスといっしょにされてて
プレゼントもないし
ケーキも前の日の残りだった
誕生日ケーキなのにサンタがのってたし…

だからオレ、
クリスマスって好きじゃない
なければいいのに…とさえも思ったことある」



苦笑いしながらオジサンは言った



「またケーキ買おうよ!」



「キミが食べたいだけだろ
しかもクリスマスって
普通のケーキ探すの大変なんだよ
だいたいクリスマス仕様になってるから…」



「じゃあ、私が作るね!」



「ケーキなんて作ったことあるの?」



「ないよ
頑張って作るから!」



「もぉ頑張らなくていいって言ったのに…」



頑張る!

オジサンのためなら!