泡沫の記憶


「寝れた?昨日」



ドキ…

ドキ…



「うん、寝れたよ」



「よかった」



ドキ…

ドキ…



オジサンの声が響くたびに

ドキドキする



「オジサン
名前、呼んで…

私の名前…知ってたよね

上書きして…

オジサンのこと…
もっと好きになりたい」



ドキ…

ドキ…

ドキ…



「…
寝てねーじゃん!

聞いてたの?

オレの恋話」



「うん…」



「泣きたいぐらい、恥ずかしい

胸、貸してくれる」



「いいよ」



泣いたふりをしたオジサンがかわいかった



私の前で小さくなったオジサンを抱きしめた



ドキドキ…

ドキドキ…



「ねぇ、オジサン…

ドキドキするよ」



ドキドキ…

ドキドキ…



「うん…聞こえてるよ

キミの胸の音」



ドキドキ…

ドキドキ…



「私の名前…呼んでよ…」



ドキドキ…

ドキドキ…



「…朱夏…」



ドキドキ…

ドキドキ…



「キスしてよ…」



ーーー



ドキドキ…

ドキドキ…



「好き…柊翔…」



ドキドキ…

ドキドキ…



「好きだよ…朱夏…」



ーーーーー



さっきまで
私の胸で小さくなってたオジサンに

包まれた



細いけど筋肉質で大きな身体



ドキドキ…

ドキドキ…



でも優しくて温かい