泡沫の記憶


「大丈夫…

もぉ好きだから…

キミのこと
もぉ好きだから…

もぉ頑張らなくても大丈夫」



え…



私の目の前にいるこの人は

何を言ってるのかな



もぉ好きだから…

もぉ頑張らなくても大丈夫



そぉ聞こえた



え…



ティッシュを渡された



私また泣いてる?




「ごめん…
胸貸したいけど、
セーター汚れたらヤダから…」



オジサンが言った



グチャグチャになったティッシュ

ゴミ箱に捨てたら
オジサンがセーターを脱いで抱きしめてくれた



「ティッシュじゃ、足りなそうだから…

もぉ泣かなくていいよ

もぉ頑張らなくててもいい

これ以上頑張られると
好きになりすぎるから…」



「ホントに…?ホントに…?

私のこと、好きになってくれた?」



オジサンが私のこと

好きって言ってくれてる



「オレのこと、信じられない?

じゃあ、泣いてないで、オレの目見てよ」



止まらない涙を拭いながら

オジサンの目を見た



「今日は猫じゃなくて
トナカイぐらい鼻赤いよ

嘘ついてる目に見える?」



涙でオジサンの顔はよく見えなかったけど

オジサンの笑い声が聞こえた



きっと私

汚い顔してるんだろうな…



せっかく好きな人に

好きって言われたのに…