泡沫の記憶


電車から下りて
今度はゆっくり歩いた



「ねぇ、咲田って…」



オレは言いかけて、やめた



「ん?なに?」



瀬倉のこと好き?

そう聞こうとした



「や、ごめん、なんでもない」



「なに?気になる!」



「いや、たいしたことじゃないけど…
好きな俳優とかいる?」



オレは適当な質問をした



「んー、俳優ではないけど…」



咲田は好きなバンドのボーカルの名前をあげた



「よく、咲田聴いてるもんね
オレも好きな曲ある」



咲田は、そのバンドのことを
オレに詳しく話してくれた



こんなにかわいいのに
瀬倉、なんで…



オレが瀬倉だったらな…



咲田

ごめん

隣にいるのがオレで…