泡沫の記憶


「そっか…そーだよね…

オジサンも選ぶ権利あるよね

男の人って
誰でもいいのかと思ってたけど
オジサン、私じゃダメだったもんね」



「うん…ごめん…

オレ、好きな人じゃないと
そーゆーのできない
気持ちが通じてないSEXって虚しくない?

考えてみなよ…
幸せ…?

キミはオレに気持ちがあるのに
オレはキミのこと…

想像してみた…?

キミは、幸せ…?」



想像してみた



私に気持ちのないオジサンが
私を抱いてる



私に触れてくれてるのに
その手は冷たくて


その目は私を見てない


心は私の一方通行で
返ってこない



「ごめん…」



オジサンの声で我に返った



瞬きしたら

涙が溢れた



「なんでだろう…

いつも、いつも…
思い通りにならない」



いつも

私の好きな人は

私のことを好きじゃない



「オレも、なかなか思い通りにならない
なんでだろうね…

タイミングかな…
いつも少しズレてるんだよね

今もさ
キミに言われて…

キミはオレのこと好きなのに
オレは…」



「オジサン、さっきの忘れて…
私が言ったこと、忘れて…

だから…
だから…嫌いにならないで…

好きにならなくてもいいから…
嫌いにならないで…私のこと…」



もぉ嫌われたかもしれないけど

オジサンに幻滅されたくなかった



ただやりたいって
簡単に思ったんじゃなくてね

私はオジサンに抱いてほしかったの



好きだから…

好きな人だから…



好きじゃなくてもいい

嫌われたくない