泡沫の記憶


「朱夏ちゃん
もぉ1本ビールもらえる?」



「はい」



朱夏が冷蔵庫までビールを取りに行ってる隙に



「朱夏ちゃん彼氏いるよね、絶対」



同僚が言った



「知らない
いないって本人は言ってたけど…」



「オマエに言うわけないじゃん!
親にバラすだろ、オマエ」



「そんなことしないよ」



「ハイ!どーぞー…」



「あ、朱夏ちゃん、ありがとね
いつまでこっちにいるの?
今度バーベキューするから来る?」



「オマエ、勝手に誘うなよ!」



「いいじゃん!別に!
朱夏ちゃんだってずっと自動車学校じゃ
つまんないだろ!
ね、朱夏ちゃん」



「楽しそうだけど…
京ちゃんが嫌なら行かないよ」



「え、あ、そぉ?」



朱夏がオレの顔を見た



パキ…



オレはビールの缶を鳴らした