泡沫の記憶


「京ちゃん
宿題教えて!」



「あー…いいけど…どこ?」



「えっと…ここと…ここと…」



「朱夏
昨日、帰ってくるの遅かったんだってな
お父さんとお母さん心配してたぞ」



「うん
バイト終わってから
バイトの人と一緒に映画行ってきた」



顔を上げた朱夏の唇が少し色付いてた



「朱夏、化粧してんの?」



「うん
変かな?」



「いや…
けど、朱夏は、そんなのしなくてもいいよ」



オレは朱夏の唇を指で拭った



「ヤダー!京ちゃんひどーい!」



「笑ってたら、かわいいよ」



いつまでも無邪気な朱夏でいてほしかった