子供たちにも人気で、よくわいわいと群がられているのだけど、今日も彼は気だるげな反応をする。
「若いっていいね……。俺にもその元気を分けてくれよ」
「患者が元気あげちゃったらダメじゃん?」
美來ちゃんというボーイッシュな女の子がツッコみ、笑いが起こった。
明神先生の人気のひとつはこの天然さというか、ちょっと抜けている部分があることだと思う。完璧な手術を行うストイックさとのギャップに、母性本能がくすぐられ……るのは、私だけかもしれないけれど。
いつものように、先生が無表情で子供たちと戯れる姿を眺めて心ときめかせていると、梨乃ちゃんが突然質問する。
「ねえ、先生って彼女いる? いないよね」
彼女はチラチラこちらを見てくるので、きっと私のために確認してくれているのだろう。美來ちゃんも、先生に恋人はいないと決めつけてこう続ける。
「いないよねぇ。いつも寝癖ついてるし、ボケてるし。お母さんも言ってたよ、『あの先生、イケメンだけど表情筋が死んでるね』って」
「お母さんそんなこと言ってたの?」
明神先生が気にかかったのはそこらしく、若干悲しそうな口調で返すので、彼女たちはまた笑った。
「若いっていいね……。俺にもその元気を分けてくれよ」
「患者が元気あげちゃったらダメじゃん?」
美來ちゃんというボーイッシュな女の子がツッコみ、笑いが起こった。
明神先生の人気のひとつはこの天然さというか、ちょっと抜けている部分があることだと思う。完璧な手術を行うストイックさとのギャップに、母性本能がくすぐられ……るのは、私だけかもしれないけれど。
いつものように、先生が無表情で子供たちと戯れる姿を眺めて心ときめかせていると、梨乃ちゃんが突然質問する。
「ねえ、先生って彼女いる? いないよね」
彼女はチラチラこちらを見てくるので、きっと私のために確認してくれているのだろう。美來ちゃんも、先生に恋人はいないと決めつけてこう続ける。
「いないよねぇ。いつも寝癖ついてるし、ボケてるし。お母さんも言ってたよ、『あの先生、イケメンだけど表情筋が死んでるね』って」
「お母さんそんなこと言ってたの?」
明神先生が気にかかったのはそこらしく、若干悲しそうな口調で返すので、彼女たちはまた笑った。



