「なっ、なに言ってるの!?」
「とぼけても無駄だわね。もうみーんな知ってるんだから」
「皆……?」
ギョッとして視線をずらせば、手紙を書いていたはずの女子たちが私を見て、めちゃくちゃニヤニヤしている。
嘘でしょ……皆、いつから私の密かな片想いに気づいていたの!?
引きつる口元を手で覆ったとき、梨乃ちゃんが図書室の入口のほうを見て、ぱっと表情を輝かせる。
「あっ! ほら、ちょうど来たよ。明神せんせー!」
無邪気な声で名前が叫ばれ、心臓がドックンと飛び跳ねた。
梨乃ちゃんが手を振るほうに黒目を動かせば、白衣のポケットに手を入れた長身の男性がこちらに向かってくる。
目鼻立ちが整っていて顔立ちは優しげだが、無造作に毛先がうねるショートヘアや、余裕のある歩き方はアンニュイな雰囲気を漂わせている。この彼こそが、スーパードクターの明神先生だ。
だいたい無表情で、笑っているところはあまり見ない。しかし、物腰は柔らかく温かみのある性格で、なにより患者の気持ちに寄り添うことのできる先生だと、大きな信頼を得ている。
「とぼけても無駄だわね。もうみーんな知ってるんだから」
「皆……?」
ギョッとして視線をずらせば、手紙を書いていたはずの女子たちが私を見て、めちゃくちゃニヤニヤしている。
嘘でしょ……皆、いつから私の密かな片想いに気づいていたの!?
引きつる口元を手で覆ったとき、梨乃ちゃんが図書室の入口のほうを見て、ぱっと表情を輝かせる。
「あっ! ほら、ちょうど来たよ。明神せんせー!」
無邪気な声で名前が叫ばれ、心臓がドックンと飛び跳ねた。
梨乃ちゃんが手を振るほうに黒目を動かせば、白衣のポケットに手を入れた長身の男性がこちらに向かってくる。
目鼻立ちが整っていて顔立ちは優しげだが、無造作に毛先がうねるショートヘアや、余裕のある歩き方はアンニュイな雰囲気を漂わせている。この彼こそが、スーパードクターの明神先生だ。
だいたい無表情で、笑っているところはあまり見ない。しかし、物腰は柔らかく温かみのある性格で、なにより患者の気持ちに寄り添うことのできる先生だと、大きな信頼を得ている。



