「明神先生でも手に負えないことがあるんですね。先生はいつも冷静で、どんな問題も確実に対処していくから意外です。愛妻家だし、伊吹ちゃんが不満を持つとも思えないけどな」
不可解だと言いたげに腕組みをする彼を一瞥し、俺は苦笑を漏らす。
「手に負えないこともあるよ、もちろん。特に女心はさっぱりだ。栄には無縁そうだが」
「だったら今こんなに手こずってないですよ」
本心を口にすれば、栄も脱力して嘲笑を浮かべた。
以前、飲み会の席でふたりで話しているうちに、『お互いに図書室の司書を気に入っている』という事実が判明し、それ以来進展について時々会話を交わすことがあった。
栄は後期研修を終えたばかりなのだが、一人前の医者として胸を張れるようになったら末永さんに想いを伝えるつもりだと聞いている。
しかし、どうやら一筋縄ではいかないらしい。栄は案外腹黒い部分があるから、そのせいもあるのかもしれないな。
口には出さないが〝お互い大変だな〟と意思の疎通をさせ、ふたりしてため息を吐き出した。
不可解だと言いたげに腕組みをする彼を一瞥し、俺は苦笑を漏らす。
「手に負えないこともあるよ、もちろん。特に女心はさっぱりだ。栄には無縁そうだが」
「だったら今こんなに手こずってないですよ」
本心を口にすれば、栄も脱力して嘲笑を浮かべた。
以前、飲み会の席でふたりで話しているうちに、『お互いに図書室の司書を気に入っている』という事実が判明し、それ以来進展について時々会話を交わすことがあった。
栄は後期研修を終えたばかりなのだが、一人前の医者として胸を張れるようになったら末永さんに想いを伝えるつもりだと聞いている。
しかし、どうやら一筋縄ではいかないらしい。栄は案外腹黒い部分があるから、そのせいもあるのかもしれないな。
口には出さないが〝お互い大変だな〟と意思の疎通をさせ、ふたりしてため息を吐き出した。



