肩を落として車に戻ると、助手席に置いてあった伊吹からの手紙に気づく。ふと思いつき、ダッシュボードに忍ばせてあるペンを取り出した。
会えないなら手紙を、という意識は彼女に植えつけられた。空いた部分に文字を書き、折りたたんで郵便ポストに入れておく。
伊吹の手に渡り、目を通してくれることを願って。
伊吹がいない夜は、とても静かで物寂しかった。彼女が出ていった理由について夜通し考えを巡らせるも、思い当たるものがなく自己嫌悪させられるだけ。
翌朝の朝食は、ひとり暮らし時代に戻って質素すぎる卵かけご飯で済ませた。それすらも味気なく、テレビに映される内容も頭に入ってこない。彼女の存在が俺の人生すべてを豊かにしてくれていたのだと、改めて実感した。
今日は午前だけ出勤する。朝回診の時間もいつもよりは遅めだが、ひとりで家にいても気を揉むだけなので早めに出た。
更衣室に入ると、同じく出勤の栄が着替えているところだった。「おはよう」と挨拶し、男の俺でもいい顔だなと感心する彼を見た瞬間、伊吹の事情について手がかりを得られそうな人物がいたことを思い出す。
司書仲間の末永さんだ。日曜は図書室は空いていないが、最近彼女と親密になりつつある栄なら間接的に聞いてもらえるかもしれない。
会えないなら手紙を、という意識は彼女に植えつけられた。空いた部分に文字を書き、折りたたんで郵便ポストに入れておく。
伊吹の手に渡り、目を通してくれることを願って。
伊吹がいない夜は、とても静かで物寂しかった。彼女が出ていった理由について夜通し考えを巡らせるも、思い当たるものがなく自己嫌悪させられるだけ。
翌朝の朝食は、ひとり暮らし時代に戻って質素すぎる卵かけご飯で済ませた。それすらも味気なく、テレビに映される内容も頭に入ってこない。彼女の存在が俺の人生すべてを豊かにしてくれていたのだと、改めて実感した。
今日は午前だけ出勤する。朝回診の時間もいつもよりは遅めだが、ひとりで家にいても気を揉むだけなので早めに出た。
更衣室に入ると、同じく出勤の栄が着替えているところだった。「おはよう」と挨拶し、男の俺でもいい顔だなと感心する彼を見た瞬間、伊吹の事情について手がかりを得られそうな人物がいたことを思い出す。
司書仲間の末永さんだ。日曜は図書室は空いていないが、最近彼女と親密になりつつある栄なら間接的に聞いてもらえるかもしれない。



