基本土日は休日体制なのだが、今週に限って出なければならない。こういうときこそそばにいてあげたいのに。
それでも普段より早く上がれる予定だから、帰ったら昨日渡し損ねた指輪を渡そう。少しは彼女の気分が上向きになるかもしれない。詳しい事情はあの子が話したくなってから聞けばいいだろう。
仕事中は目の前の患者に対して一心に向き合う分、休憩時間には伊吹に想いを馳せていた。
午後五時、手術記録を記入し、術後の患者に異常がないかを確認して病院を出る。早々に帰宅し、いつものようにふわりと微笑む彼女が出迎えてくれるのを期待して玄関のドアを開けた。
ところが、中はしんと静まり返っていて人の気配がない。まだ夕方だし、どこかへ出かけているのだろうか。
早く会いたかったんだが……と若干落胆してリビングダイニングにやってくると、テーブルの上に置いてある一枚の紙に気づく。俺が書いたものではない便箋を手に取り、目を見張った。
〝久夜さん、本当にごめんなさい。急ですが、しばらく実家へ帰ることにしました〟
「なんだって……?」
眉根を寄せ、動揺に満ちた声がぽつりとこぼれた。わけがわからないまま、綺麗な文字を目で追っていく。
それでも普段より早く上がれる予定だから、帰ったら昨日渡し損ねた指輪を渡そう。少しは彼女の気分が上向きになるかもしれない。詳しい事情はあの子が話したくなってから聞けばいいだろう。
仕事中は目の前の患者に対して一心に向き合う分、休憩時間には伊吹に想いを馳せていた。
午後五時、手術記録を記入し、術後の患者に異常がないかを確認して病院を出る。早々に帰宅し、いつものようにふわりと微笑む彼女が出迎えてくれるのを期待して玄関のドアを開けた。
ところが、中はしんと静まり返っていて人の気配がない。まだ夕方だし、どこかへ出かけているのだろうか。
早く会いたかったんだが……と若干落胆してリビングダイニングにやってくると、テーブルの上に置いてある一枚の紙に気づく。俺が書いたものではない便箋を手に取り、目を見張った。
〝久夜さん、本当にごめんなさい。急ですが、しばらく実家へ帰ることにしました〟
「なんだって……?」
眉根を寄せ、動揺に満ちた声がぽつりとこぼれた。わけがわからないまま、綺麗な文字を目で追っていく。



