しかし、それ以上なにかをされる気配はなかった。ほどなくして手首を掴んでいた手の力も緩められ、暗澹たる声がぽつりとこぼされる。
「……やっぱり、俺たちが家族になるなんて不可能なんだよ。諦めろ」
力無く呟いた先輩は私から完全に離れ、一度もこちらを見ずに大通りへと去っていく。一気に脱力する私は、壁に背中をもたれてへたり込みそうになるのを堪える。
しばらくなにも考えることができず、街の雑踏を遠くに感じながらただ呆然としていた。
それから私はプログラミングされたロボットのように、マンションに帰って夕飯の準備をした。あまり食欲がないので先にシャワーを浴び、ドライヤーで髪を乾かす。
一連の動作は身体が覚えているので考えなくてもできる。頭の中を延々と巡るのは、今日一日の出来事。
一度に難しい問題が起こりすぎて、ぐちゃぐちゃに絡まった糸は解けそうにない。ただひとつわかっているのは、すべては私自信が原因であること。
北澤さんはもとより、先輩があんなふうにするのも、私がイラつかせてしまうからだった。先輩に非がないとは言いきれないが、怯えて彼を避けてばかりの弱い自分もいけないのだ。
「……やっぱり、俺たちが家族になるなんて不可能なんだよ。諦めろ」
力無く呟いた先輩は私から完全に離れ、一度もこちらを見ずに大通りへと去っていく。一気に脱力する私は、壁に背中をもたれてへたり込みそうになるのを堪える。
しばらくなにも考えることができず、街の雑踏を遠くに感じながらただ呆然としていた。
それから私はプログラミングされたロボットのように、マンションに帰って夕飯の準備をした。あまり食欲がないので先にシャワーを浴び、ドライヤーで髪を乾かす。
一連の動作は身体が覚えているので考えなくてもできる。頭の中を延々と巡るのは、今日一日の出来事。
一度に難しい問題が起こりすぎて、ぐちゃぐちゃに絡まった糸は解けそうにない。ただひとつわかっているのは、すべては私自信が原因であること。
北澤さんはもとより、先輩があんなふうにするのも、私がイラつかせてしまうからだった。先輩に非がないとは言いきれないが、怯えて彼を避けてばかりの弱い自分もいけないのだ。



