彼は驚きと困惑が交ざった顔をしているが、青信号が点滅し始めたのでひとまず急いで渡る。
……ダメだ、まだ意識してしまう。かすかに残っている恐怖が、触れたことで露わになった感じだ。
横断歩道を渡り終えたあと、舞い戻ってしまった気まずさを抱いて向かい合う。駅は右方向、マンションは左方向なのでここでお別れだ。
私たちの関係を変えるにはやはり時間がかかりそうだと実感するも、伝えておきたいことがある。「先輩」と呼んでなんとか顔を上げれば、強張った面持ちでこちらを見つめる彼がいる。
「久夜さんはずっと、先輩と打ち解けたいと願っているんです。だから、先輩も歩み寄ってもらえませんか。私も、家族として接するように頑張りますから」
そうお願いしながら、自分自身にも言い聞かせていた。私も努力して、先輩に対する壁を完全になくさなければ、家族になんてなれないのだから。
でも……久夜さんにすべてを隠して先輩と新たな関係を作るのが、本当に正しいことなのか。
簡単には答えが出そうにない疑問が浮かんで伏し目がちになっていると、まるで見透かされているかのような言葉が投げられる。
……ダメだ、まだ意識してしまう。かすかに残っている恐怖が、触れたことで露わになった感じだ。
横断歩道を渡り終えたあと、舞い戻ってしまった気まずさを抱いて向かい合う。駅は右方向、マンションは左方向なのでここでお別れだ。
私たちの関係を変えるにはやはり時間がかかりそうだと実感するも、伝えておきたいことがある。「先輩」と呼んでなんとか顔を上げれば、強張った面持ちでこちらを見つめる彼がいる。
「久夜さんはずっと、先輩と打ち解けたいと願っているんです。だから、先輩も歩み寄ってもらえませんか。私も、家族として接するように頑張りますから」
そうお願いしながら、自分自身にも言い聞かせていた。私も努力して、先輩に対する壁を完全になくさなければ、家族になんてなれないのだから。
でも……久夜さんにすべてを隠して先輩と新たな関係を作るのが、本当に正しいことなのか。
簡単には答えが出そうにない疑問が浮かんで伏し目がちになっていると、まるで見透かされているかのような言葉が投げられる。



