前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~

「やっぱりふたりの間になにかあったんじゃないですか?」
「なっ、なにもないって! 介抱されたときだって相変わらず毒吐かれたし、そのくせ優しく支えてくれるから王子様スマイルが妙に艶っぽく見えただけで……」


 完全にときめいちゃってるじゃないですか。

 と、うっすら頬を染める彼女に心の中でツッコんだ。面白いほどわかりやすい。

 そうか、ついに末永さんにも恋の予感が……。私は嬉しいけれど本人は必死に隠しているみたいだし、あまり掘り下げないでおこう。


「話せるときが来たら教えてくださいね」
「うん……」


 恥ずかしそうにしつつも素直に頷く彼女がとても可愛い。なにかあったと認めていることに気づいていないところも。

 学生時代からずっと、恋愛の類の話題になるとどうしても先輩との一件を思い出してしまって、あまり入り込めずにいた。でも、これからは普通に話したいと自然に思える。

 トラウマを克服できてきたことを実感しながら、末永さんと対等に恋バナをする日が来るのを楽しみに待つことにした。