初めて抱かれた夜以来、どこに触れられても拒むことはなくなった。あとから思えば、頭を撫でられたりキスされたりするのが平気だったのは、重南先輩にされなかった行為だからなのだろう。

 頭の片隅でそんなふうに考えていると、久夜さんの手が上へと滑らされ、ショートパンツの中にまで侵入してきた。拒否はしなくとも、官能的な手つきにはまだ慣れなくて緊張し始める。


「ご褒美をあげたいところだけど、俺がもらってもいい?」


 雄の目をした彼が首を伸ばして顔を近づけ、色気のある声で問いかけた。意味を理解した私は、照れながらはにかむ。


「ご褒美ですよ。私にとっても」


 あなたと触れ合えるのは、極上の幸せだと知ったから。

 のろける私に、久夜さんはふたりきりのとき限定の甘い笑みを浮かべ、唇を寄せた。



 ソファでしばしキスを堪能したあと、想いが通じ合った日から毎日一緒に寝ている彼のベッドに運ばれ、全身で愛を刻まれた。

 まだまだ恥ずかしいし、どうしていいかわからないからされるがままなのだけど、久夜さんは私の中にいるときとても幸せそうな顔をする。それが私も嬉しくて、行為も気持ちいいと感じられるくらいになった。