「あいつ、研究センターの仕事で磯撫島に行くらしいんですけど、よかったら一緒に行かないかって」

磯撫島は、西側にある小さな離島だ。自然豊かな場所で貴重な生物がいたりするのだが、島民たちがよそ者を嫌う傾向があり、島に行った人間は少ない。

「磯撫島……。貴重な寄生虫がいるかもしれない……」

玲奈が目を輝かせ、「行くと返事をしろ!行く以外認めない!」と言った。透と美咲は苦笑する。

透が「宍戸と美咲さんも行くよ」と送ると、すぐに既読がつき、「了解!」と送られくる。

透は出発の日をカレンダーに書き、修学旅行みたいだなと胸を弾ませた。