踏み出した先に…

目を覚ますと白い天井が入ってきた。

そっか…僕、理人に運んでもらって…

ムクッと起き上がると、ベッドの端でうなされてる理人の姿があった。

「…っ!理人!?どうしたの?」

ここが保健室ということも忘れ、声を荒らげた。

「……っ!!」

目が覚めた理人は辺りをキョロキョロ見渡し、

「あぁ、そっか…俺。」

何かを思い出したようにブツブツと自分に言い聞かせて

「ん、ごめん。少し…嫌な夢見た。」

…親友の作り笑いなんて見たくない。

「…え、」

目を丸くして僕を見つめる理人。

「今の声に出てた?」

「うん。」

恥ずかしさと謎の緊張感で次の言葉を紡げずにいると、

「んはははっ!」

理人の笑い声が室内に響き渡る。

突然の事に頭が追いつかない。

「ごめんごめん!翔がそんなこと思っててくれてたんだって思って。」

「えっと、ごめんね?」

訳が分からず謝ると

「違う違う!嬉しかったの。翔の本音聞けて。」

と、にひっと笑いながら言う。

「そういうこと…。理人は溜め込みやすいから、なんかあったら僕を頼ってね。」

「おう。お互いな!」

また2人で笑いあって…幸せだな。