踏み出した先に…

目に入った途端、体の左側が不規則に拍をとり、その場にしゃがんだ。

呼吸が荒くなり、自分が自分では無い不思議な感覚に襲われた。

「おい…大丈夫か!?」

目を見開いた理人が俺の元に駆け寄ってきた。

「う、うん。大丈…」

「んなわけないだろ!早く保健室行くぞ、ほら乗れ!!」

俺の言葉を遮って理人は自分の背を向けた。

広い背中にも自分一人で乗ることは出来ず理人に強引に乗せてもらい保健室へ向かった。

理人の荒い呼吸を最後に、僕は意識を手放した。