踏み出した先に…

見慣れた道を進み咲良《さくら》神社の前で足を止めた。

鳥居に触れ、何となくさすってみた。

目を閉じ今朝のことを忘れようとした。

温かい思い出に額をつけていると、

「お待たせ。」

振り返ると俺の唯一無二の親友、川崎理人(かわさき りひと)がいた。

家が近所で、小学生の頃から仲が良く、高校も同じところに入学した。

俺とは違って明るくて、かっこよくて…
とっても羨ましい。