pipipi…。

無機質な音が現実へと連れ戻す。

どうやらひどい夢を見ていたようだ。

「朝から嫌なもん見たな…。」

翔はポツリと呟きベッドから出た。

制服に着替え、コーンフレークを牛乳で流し込む。

まだ五月だというのに猛暑だとアナウンサーが伝える。

テレビを黒く塗りつぶし、

「行ってきます。」

と、言葉を残した。

無人のリビングに。