瞼をひらくと、僕は黒いカゲに囲まれていた。

「お前がいると、サッカーつまんない。」

体がビクッと反応した。

途端、頭に激痛が走り、声にならない叫びを上げた。

「なんでお前がエースストライカーって期待されてんの?」

罵声を浴びせながらカゲが近づいてくる。

ドンドンと、叩かれてもいない心臓が強さを増して僕を焦らせる。 

「翔《かける》はチームメイトなんかじゃない。」

思い出したくない言葉が、首を絞めた。